殴るのはCHAGEとASKAに任せておけ!翻訳者に必要な力――アンガーコントロール

ウソ800

僕が会社員だったころの話。

他部署から、偉いのか偉くないのか、よくわからない人がやってきた。

「ここ、こうこうこうなんで、今度から気をつけてください」

「はい」

(あれ、こんな仕事したっけ?)

あ、違うこれ、おぢが担当した箇所だ。

すると、その張本人であるおぢがこっちにトコトコやってきた。

トコトコ

あ、ごめんー。

説明してなかったね。

これってさ、そういうことだから。

今度から気をつけてね

(周りの社員が僕を見つめる)

待って!

みんな、僕じゃないよ。

僕のミスじゃないのに。

他人のミスは僕のミス。

僕のミスも僕のミス。

僕の世界にドラえもんはいない。

赤い怒り

やれ英語力だの、やれ日本語力だのと言われがちな翻訳者に求められる能力。

でも、翻訳者として生き残るために絶対に必要なのは、アンガーコントロール――怒りを支配する力だ。

いや、それはちゃうやろと言いたくなる的外れフィードバック。

いや、それは契約外やろと言いたくなるめんどくさ業務の押し付け。

いや、それ無理やろと言いたくなる刹那の締め切り。

いや、それ金払えやと言いたくなる原文の差し替え。

いや、それ先に言えやと言いたくなる、料金をなぜか教えてくれない会社。

全部全部、怒りを爆発させてはいけない。

でも、でも…!


「それでも地球は回ってる」

ガリレオはどんな気持ちで言ったんだろう。