シー
大学生のころ、言語学なるものを勉強すれば、英語や翻訳の秘密に少し近づける気がして、授業を結構取った。
よくわからないまま樹形図も書いた。
教授が書いたつまらない本も買わされた。
音声学の授業もそこそこ受けたけど、どの先生の発音も目を閉じて聞けば、日本人のおっさんが英語を話してるだけだった。
隣でおしゃべりしている、音声学を知らない帰国子女の方が発音がよかった。
その英語に目を閉じて耳を傾けると、そこはアメリカ西海岸。
海の匂いがした。
ズズズ
目を開くと、帰国子女が授業中にカップヌードルのシーフード味を食べていた。
それでも、僕が聴きたかったのは音声学のおっさんの講義だった。
なんだ、そんなものか。
/h/