加速度の実験

思い出のレコード

今日は理科室で加速度の実験。

台車に記録テープをつけ、記録タイマーで0.02秒ごとに点を打つ。

点と点の間隔から速さを求めて、その変化から加速度を確かめる。

そんな実験だった。

僕たちの班は台車を死ぬほど速く走らせ、世界新記録を目指すことにした。

「いけえええええええ!!!」

台車はまるで応援されたミニ四駆みたいにスピードを上げた。

いける。

いけるぞ。

記録テープに打ち込まれる点の間隔がどんどん広がっていく。

ゴール地点で待つ三浦大知似の班員が言った。

「加速させろ!」

このままいけば世界新記録に届く。

全員が新記録を確信したその瞬間――

「お前たち、何してる!!!」

台車がピタリと止まった。

はげ散らかした理科の先生だった。

「この記録テープの値段、わかってんだろうな……

5万だぞ! 5万! 無駄にするな!!!」

伸びすぎた記録テープが、ノートからはみ出した。

あの日、僕たちの記録は、記録にならなかった。


その晩、インターネットで記録テープの値段を調べたら、せいぜい数百円だった。

数字がありあまる

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今日もたくさんの数字があふれている。

あの日の僕たちは、記録テープが伸びていくのがただ楽しかった。